大峽製鞄のブリフィッチ(サンタクローチェ®・ヌーヴォ・チョコ)の革質と細部について
今回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、大峽製鞄のブリフィッチ(サンタクローチェ®・ヌーヴォ・チョコ)の革質と細部についてお伝えしていきたいと思います。
サンタクローチェ®・ヌーヴォ
上の画像は、ブリフィッチ(サンタクローチェ®・ヌーヴォ・チョコ)と、ジョンロブ・フィリップ2のミスティーカーフ(チェスナット)です。
ベビーカーフのミスティーカーフとサンタクローチェ・ヌーヴォ、どちらも大変美しいです☆
ここで、そのサンタクローチェ®・ヌーヴォとは・・・
サンタクローチェ®・ヌーヴォ イタリアはトスカーナにあるサンタクローチェ地方で1000年の歴史を持つバケッタ製法による、手なめし、手染めで仕上げられた最上級の革です。この地域を流れるアルノ川の成分は特徴的であり、この素材もこの川の水をして初めて出来上がると言われています。染め上がったバケッタ革にフエルト・ロール加工をすることにより、微妙なツヤ感が出ます。タンナーの社長と大峽製鞄による共同開発商品であり、いわば「世界でたったひとつの革」です。アルティジャーノ(革職人)達が作り出すこの革は、傷もつけば色落ちすることもあります。その反面、使い込むで傷も薄れ、革の艶が増していきます。手脂と傷と雨風が、長い歳月をかけてお使いになる方のアイデンティティーを作り上げていきます。(公式ホームページより一部抜粋し改変)
大峽製鞄さんの公式ホームページから一部抜粋して記載しました。
旧ホームページから継承されている表現ですが、情熱的な文章です。
大峽製鞄さんの思いが感じられます。
この鞄を実際に使ってみると、この文章のとおりだと感じます。
バケッタ革にフエルト・ロール加工することによりだされるツヤ感、大変素晴らしいです。
そしてその個性的な表情も大変魅力です。
同じ鞄でも、表と裏でも、その表情は異なります。
ちなみに、ここで「表」と「裏」に関してです。
大峽製鞄さんの鞄は、それぞれ製造番号が記載されているタグが縫い込まれています。
このタグが縫い込まれているほうが、いわゆる「裏」側です。
こちらは「表」側です。
上の画像のスリムナイト(サンタクローチェ・ヌーヴォ)の様に、タグがついているほうが表になっています。
ただ、トラの模様により、好みで「表」と「裏」を好きにかえてもよいかと思います。
ブリフィッチの様に、タグがない鞄は、どちらが表か裏かはあまり関係ないですが、ポケットの取り出しやすさを考えると、表と裏で使い分けたほうが使い勝手が良いです。
改めて、こちらが「表」側です。
こちらは「裏」側です。
トラの模様に違いがあるので、全く別の鞄の様です。
そして、表と裏側では、傷の付き方も違ってきます。
裏側は、「人」側なので、どうしても自分の膝などと擦れて、逆に裏側の方が艶がでたりします。
その違いを見たいのもあり、「表」と「裏」で使い分けています。
経年変化
そして、この鞄の魅力の一つが経年変化です。
大峽製鞄さんのホームページの記載の様に、使っていくうちについていく傷もまた、いい「味」になっていきます。
上の画像は、「表」側の右側です。細かな傷もありますが、確かにしばらくすると目立たなります。
やや白っぽく目立つ傷は、新しめの傷です。
実は、そうはいっても、購入当初はちょっと傷がついたら焦って馬毛ブラシや羊毛ブラシで、一生懸命拭いていました(汗)
でも、傷がいい「味」になってくるのがわかったので、その後は気にならなくなりました。
こちらは、「表」側の左側です。
ハンドルもまた、同じ革が使われています。
手触りが抜群に良いです。
色による違い
上の画像は、向かって右が、ブリフィッチ(サンタクローチェ®・ヌーヴォ・チョコ)、
左がブリフィッチ(サンタクローチェ®・ヌーヴォ・ブラウン)です。
同じブリフィッチのサンタクローチェ®・ヌーヴォでも、色合いが異なります。
ブラウンの方がチョコより明るい色合いです。
なので、ブラウンの方が、トラや艶をよりダイレクトに感じられます。
こちらは「裏」側です。
ただ、傷もダイレクトに感じられます(笑)
逆に言うと、チョコはブラウンに比べると、傷はやや目立たないです。
サンタクローチェ®・ヌーヴォと、サンタクローチェ®・カーフの違い
大峽製鞄さんのホームページにいくと、素材で選ぶ場合、いくつかの「サンタクローチェ®」がでてきます。
(ただ、最近はサンタクローチェ・カーフがほとんど、サンタクローチェ・ヌーヴォはごく一部のみになっています・・・)
このサンタクローチェ、同じ様で、違うので注意が必要です!
上の画像は、向かって右が、ブリフィッチ(サンタクローチェ®・ヌーヴォ・チョコ)、
左が、オールレザーブリーフ(サンタクローチェ®・カーフ・チョコ)です。
サンタクローチェ®・ヌーヴォの方が光沢感があります。
これが、フエルト・ロール加工の有り無しの違いなのかもしれません。
ただ、サンタクローチェ®・カーフの方が落ち着いついた趣がある表情になっています。
そして、同じ「チョコ」という色の表現ですが、
左のサンタクローチェ®・カーフの方が、ビターなチョコになっています。
日本語でいえば、「焦げ茶」な感じです。
「チョコ」にはいろいろなチョコがあるので、なかなか表現が難しいです。
そういえば最後に、画像ではどうしても表現しにくいですが、このサンタクローチェ®・ヌーヴォの革は、購入してから暫くは大変良い香りがします♪
工業的ではない、植物性のやわらかい良い香りがします。
以前ご紹介した、Organのミネルバボックスと似ています。
そう思って調べてみると、このミネルバボックスも、同じトスカーナ州サンタクローチェで製造されています!
もしかしたら、ご近所のタンナーなのかもしれません♪
まとめ
●大峽製鞄のブリフィッチに用いられているサンタクローチェ®・ヌーヴォは発色がよく、傷がついても「味」がでて経年変化を楽しめる革です。
次回
※次回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、大峽製鞄のブリフィッチ(サンタクローチェ®・ヌーヴォ・チョコ)の日常ケアについてお伝えしていきたいと思います。