ジョンロブ・シティー2のオックスフォードカーフ(ブラック)の革質に関して
今回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、ジョンロブ・シティー2のオックスフォードカーフ(ブラック)の革質についてお伝えしていきたいと思います。
ジョンロブの靴には様々な革が使われていますが、正直はじめはその違いがよくわかりませんでした(汗)
革質
オックスフォードカーフもカーフに含まれます。
ここで、改めて、カーフについてです。
牛皮のおおまかな分類:牛皮は、若い順にカーフスキン(生後6カ月以内の子牛の皮、表面は平滑できめが細かく、繊維も細く柔らかい最高級の皮、かなり希少で高価)、キップスキン(生後6カ月~生後2年の牛の皮、カーフに次いで平滑できめが細く柔らかい、カーフより厚みがあり耐久性もある、希少で高価)、カウハイド(雌成牛の皮、きめが細かく柔らかくて丈夫、高価)、ステアハイド(去勢した雄成牛の皮、皮は厚いのに柔らかくバランスがとれた皮、最も流通)、ブルハイド(去勢していない雄成牛の皮、極めて厚く耐久性に最も優れている、希少) 日本皮革産業連合会編集:皮革用語辞典より一部引用。革のイメージはムカデの印象です。
ジョンロブはエルメスグループに属し、世界中の良質な革を収集可能なので、カーフの中でもより上質なカーフを揃えることが可能と言われています。
シティー2
前回お伝えした様に、ジョンロブには「シティーに始まり、シティーに終わる」という言葉があるほど、シティー2はジョンロブでもメジャーです。
そのシティー2にも様々な革が使われていますが、定番の黒にはオックスフォードカーフが使われてることがほとんどです。
フォーマルな場面にふさわしい黒のストレートチップ。
ブローグなどの装飾はありませんが、その端正なラスト7000と相まって、より壮麗になっています!
そして、飾りが無い分、その革質がよりはっきりと強調されます。
上の画像の様に、キラキラとキメ細かく、大変美しいです。
購入直後にワックスを除去し、その後はデリケートクリームだけしか塗布していませんが、上の画像の様に、綺麗に輝いてくれています☆
ワックスを除去した後のほうが、革本来のキメが強調され、自然な輝きになります。
そして、若干柔らかくなる印象もあります。
こうして画像にすると、また改めて素敵です!
細かい傷もついたりしましたが、羊毛ブラシの乾ぶきのみで目立たなくなります。
クロケット&ジョーンズのオードリーとの比較
以前お伝えしたオードリーと革質を比較してみます。
上の画像は、向かって右がシティー2、左がオードリーです。
並べると一足の靴の様です。
オードリーもストレートチップの代表であり、同じくカーフが使われています。
オードリーのカーフもまた、良質で抜群の革質です。
そんなオードリーですが、やはり並べてみるとシティー2のほうがキメがより細かいのがわかります。
ただ、16年前に購入し、履き込まれたオードリーの年季の入った艶もまた素敵です。
深みがある、奥行きのある黒です。
そして履き心地に関してですが、オードリーは経年変化で柔らかく足を包みこんでくれます。
その履き心地は絶品でうっとりします☆
ただ、厚みはやはりシティー2の方があります。
今後、シティー2が経年変化で更に柔らかくなっていくのも楽しみです。
ミュージアムカーフやミスティーカーフとの革質の比較
ジョンロブでは現在、オックスフォードが主流ですが、それ以外ではミュージアムカーフ、そしてミスティーカーフがよく使われています。
はじめは、なんのことだかさっぱりわかりませんでしたが、購入してしばらく履いてみると、徐々に違いがわかる様になりました。
上の画像は、向かって右がミュージアムカーフのフィリップ2、中央がオックスフォードのシティー2、左がミスティーカーフのウィリアム2です。
どれも素晴らしい革質です。
ただ、あえて、比較すると・・・
ミュージアムカーフは、最も足に早くなじみ、そして経年変化で更に軟かくなります。
ミスティーカーフは、最もキメが細かく、最も美しいと感じます。
オックスフォードカーフは、はじめは厚くて固くて痛いですが、経年変化と共に柔らかく、そして最も輝きます☆
ここまでどれもレベルが高い革になれば、みな素敵なので、正直どれも素晴らしい革にかわりありませんが。。。
オックスフォードカーフ同志の比較
そんなオックスフォードカーフですが、個体差も確かにあると感じています。
上の画像の靴は、全て、ジョンロブのオックスフォードカーフが使われています。
向かって右から、フィリップ2、シティー2、ウィリアム2、フィリップ2ダブルバックルです。
ジョンロブは、出来あがった靴の検品も厳しいそうで、些細なことでもリジェクトされるそうです!
(インパクトファクターの高い雑誌に似ています。。。)
そんなジョンロブに選ばれて採用されたオックスフォードカーフなので、それほど違いはないとは思います。
それでも、ウィリアム2とフィリップダブルバックルのオックスフォードカーフは、特にキラキラしています!
ただ、どちらも紐の部分が革なので、相対的に革の部分が多いので、そう感じるのかもしれません(笑)
にしても、これだけオックスフォードカーフが並ぶと、黒なのに眩しいです♪
まとめ
●ジョンロブ・シティー2のオックスフォードカーフの革質は、はじまりは厚くて固いですが、経年変化と共に柔らかく、そして抜群に輝きます!
次回
※次回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、ジョンロブ・シティー2のオックスフォードカーフ(ブラック)の日常ケアについてお伝えしていきたいと思います。