ジョンロブ・フィリップ2の履き心地:革質、ラスト、ソール、かかとが相互に作用

2023年9月30日

今回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、ジョンロブのフィリップ2の履き心地についてお伝えしていきたいと思います。

その履き心地は絶品です!

それは、様々な要因・・・ 主に、革質、ソール、ラスト、かかと、などが相互に作用していると感じています。

革質

以前、クロケット&ジョーンズのオードリー編でお伝えしましたが、オードリーの「包まれる」履き心地は格別です。

今回、御紹介するフィリップ2は、その包まれる感じが更に、「より包まれる」感じになっています。

それは、フィリップ2の革質からきています。

前回お伝えした様に、ジョンロブはエルメスから世界最高峰の革を提供されています。

このフィリップ2に使われている革は、「オックスフォードカーフ」です。

ここで、革の分類です。

牛皮のおおまかな分類:牛皮は、若い順にカーフスキン(生後6カ月以内の子牛の皮、表面は平滑できめが細かく、繊維も細く柔らかい最高級の皮、かなり希少で高価)、キップスキン(生後6カ月~生後2年の牛の皮、カーフに次いで平滑できめが細く柔らかい、カーフより厚みがあり耐久性もある、希少で高価)、カウハイド(雌成牛の皮、きめが細かく柔らかくて丈夫、高価)、ステアハイド(去勢した雄成牛の皮、皮は厚いのに柔らかくバランスがとれた皮、最も流通)、ブルハイド(去勢していない雄成牛の皮、極めて厚く耐久性に最も優れている、希少) 日本皮革産業連合会編集:皮革用語辞典より一部引用。革のイメージはムカデの印象です。

このカーフのうち、更に上質なのが、このジョンロブのオックスフォードカーフです。

ジョンロブの中でも、他の「ミスティーカーフ」や、「ミュージアムカーフ」の靴と比較し、より柔らかく厚みがあります。

鏡面磨きをしていますが、していない部分も、細かいキメとじんわりと光る光沢があります。

そして、驚きの厚みです!

サイドからみても、この厚さは格別です。

購入当初は固めですが、比較的早め・・・ 3か月間目(週1程度)くらいからは柔らかくなりました。

柔らかくなると、その革質をより感じられる様になりました。

ラスト

フィリップ2はジョンロブの有名なラスト「7000」が使われています。

この7000は、ジョンロブの公式ホームページに、「タイムレスなラスト」と表現される様に、

イギリス靴なのに、長めで、しかも尖っておらず、

メリハリがあるのに、フォーマルであり、

時代を感じさせない、普遍的な美しさがあります。

以前、オードリーと比較した際にお伝えした、まさしく「壮麗」さを感じるソールです。

しかも、日本人の足形にあっていると感じます。

ムカデは、ウイリアムのラスト「9795」だと同じサイズでもより大きく感じます。

むしろ7000の方がフィットします。

これは、日本人には嬉しいラストです。

ソール

画像は、まだラバーをする前のソールです。

「プレステージソール」大変美しいです☆

大変悩みましたが、このフィリップ2は、次回お伝えしますが、ラバーを貼りました。

ラバーを貼ると、滑らないので地面とのホールド感が増すのと、ゴムなので地面からのあたりもより軟かくなります。

しかしながら、このプレステージの経年変化も感じたいので、ムカデのフィリプ2のうち、「プラム」、と「ダブルバックル」は、ラバーを貼らずにそのままにしています。

革のままでの、地面との接触からくる、「あたり」はまた格別です。

そして、「ジョンロブサウンド」とも呼ばれている音もまた、心地よいです。

いずれ、また御紹介したいと思います。

かかと

そして、フィリップ2のかかとです。

この縫い目のない、シームレスなかかとは、フィリップ2の特徴でもあります。

大変美しいです☆

見た目も美しいですが、かかとのホールド感もまた絶妙です。

このかかとのホールドもまた、「より包まれる」感を増強しています。

上の画像は、右フィリップ2、左がシティー2です。

シングルソールのシティー2と比較し、フィリップ2はより厚みがあります。

画像だとわかりづらいですが、その厚みはヒールだけではなく、全体がより厚みがあり、ダブルソールの様です。

上の画像は、向かって右がフィリップ2、左がウイリアム2です。

ダブルソールのウイリアム2にも匹敵する厚さです。

シングルとダブルの中間とういうよりは、ダブルソールに近いソールになっています。

ここら辺が物理的にも、履き心地の良さにつながっていると感じます。

それぞれの部位が美しい見た目にも関わらず、大変機能的でもあり、様々な要素が履き心地に作用しています。

まとめ

ジョンロブのフィリップ2は、革質、ソール、ラスト、かかとなどがそれぞれが作用し、その履き心地は絶品です!

次回

※次回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、フィリップ2のソールについてお伝えしていきたいと思います。