ジョンロブ・フィリップ2の履き心地:革質、ラスト、ソール、かかとが相互に作用
今回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、ジョンロブのフィリップ2の履き心地についてお伝えしていきたいと思います。
その履き心地は絶品です!
それは、様々な要因・・・ 主に、革質、ソール、ラスト、かかと、などが相互に作用していると感じています。
革質
以前、クロケット&ジョーンズのオードリー編でお伝えしましたが、オードリーの「包まれる」履き心地は格別です。
今回、御紹介するフィリップ2は、その包まれる感じが更に、「より包まれる」感じになっています。
それは、フィリップ2の革質からきています。
前回お伝えした様に、ジョンロブはエルメスから世界最高峰の革を提供されています。
このフィリップ2に使われている革は、「オックスフォードカーフ」です。
ここで、革の分類です。
牛皮のおおまかな分類:牛皮は、若い順にカーフスキン(生後6カ月以内の子牛の皮、表面は平滑できめが細かく、繊維も細く柔らかい最高級の皮、かなり希少で高価)、キップスキン(生後6カ月~生後2年の牛の皮、カーフに次いで平滑できめが細く柔らかい、カーフより厚みがあり耐久性もある、希少で高価)、カウハイド(雌成牛の皮、きめが細かく柔らかくて丈夫、高価)、ステアハイド(去勢した雄成牛の皮、皮は厚いのに柔らかくバランスがとれた皮、最も流通)、ブルハイド(去勢していない雄成牛の皮、極めて厚く耐久性に最も優れている、希少) 日本皮革産業連合会編集:皮革用語辞典より一部引用。革のイメージはムカデの印象です。
このカーフのうち、更に上質なのが、このジョンロブのオックスフォードカーフです。
ジョンロブの中でも、他の「ミスティーカーフ」や、「ミュージアムカーフ」の靴と比較し、より柔らかく厚みがあります。
鏡面磨きをしていますが、していない部分も、細かいキメとじんわりと光る光沢があります。
そして、驚きの厚みです!
サイドからみても、この厚さは格別です。
購入当初は固めですが、比較的早め・・・ 3か月間目(週1程度)くらいからは柔らかくなりました。
柔らかくなると、その革質をより感じられる様になりました。
ラスト
フィリップ2はジョンロブの有名なラスト「7000」が使われています。
この7000は、ジョンロブの公式ホームページに、「タイムレスなラスト」と表現される様に、
イギリス靴なのに、長めで、しかも尖っておらず、
メリハリがあるのに、フォーマルであり、
時代を感じさせない、普遍的な美しさがあります。
以前、オードリーと比較した際にお伝えした、まさしく「壮麗」さを感じるソールです。
しかも、日本人の足形にあっていると感じます。
ムカデは、ウイリアムのラスト「9795」だと同じサイズでもより大きく感じます。
むしろ7000の方がフィットします。
これは、日本人には嬉しいラストです。
ソール
画像は、まだラバーをする前のソールです。
「プレステージソール」大変美しいです☆
大変悩みましたが、このフィリップ2は、次回お伝えしますが、ラバーを貼りました。
ラバーを貼ると、滑らないので地面とのホールド感が増すのと、ゴムなので地面からのあたりもより軟かくなります。
しかしながら、このプレステージの経年変化も感じたいので、ムカデのフィリプ2のうち、「プラム」、と「ダブルバックル」は、ラバーを貼らずにそのままにしています。
革のままでの、地面との接触からくる、「あたり」はまた格別です。
そして、「ジョンロブサウンド」とも呼ばれている音もまた、心地よいです。
いずれ、また御紹介したいと思います。
かかと
そして、フィリップ2のかかとです。
この縫い目のない、シームレスなかかとは、フィリップ2の特徴でもあります。
大変美しいです☆
見た目も美しいですが、かかとのホールド感もまた絶妙です。
このかかとのホールドもまた、「より包まれる」感を増強しています。
上の画像は、右フィリップ2、左がシティー2です。
シングルソールのシティー2と比較し、フィリップ2はより厚みがあります。
画像だとわかりづらいですが、その厚みはヒールだけではなく、全体がより厚みがあり、ダブルソールの様です。
上の画像は、向かって右がフィリップ2、左がウイリアム2です。
ダブルソールのウイリアム2にも匹敵する厚さです。
シングルとダブルの中間とういうよりは、ダブルソールに近いソールになっています。
ここら辺が物理的にも、履き心地の良さにつながっていると感じます。
それぞれの部位が美しい見た目にも関わらず、大変機能的でもあり、様々な要素が履き心地に作用しています。
まとめ
●ジョンロブのフィリップ2は、革質、ソール、ラスト、かかとなどがそれぞれが作用し、その履き心地は絶品です!
次回
※次回のブログ「ムカデの革磨き日記」は、フィリップ2のソールについてお伝えしていきたいと思います。